2025.11.18
私たちは、さまざまリスクに囲まれて生活しています。何事もなく毎日が過ごせればよいけれど、リスクは突然やってくるものです。そんな時のために、起こりうるリスクを考え、想定される「困った」に備えておきたいですね。
今回は、「火災保険」について考えてみましょう。
住宅購入にあたって、ローン契約などと同時に火災保険加入の手続きを行うケースも多く、実は「補償内容を知らない」「加入したかどうかの記憶もない」という方も多いようです。
また、賃貸契約でも、基本的に火災保険に加入するものの、認識ない方も少なくありません。
火災保険と聞くと「火事」というイメージが強いかもしれません。
実際には、風災・水災・雪災・落雷など自然災害による被害も広く対象になります。とくに最近では、ゲリラ豪雨や台風などによる風災・水災被害が各地で増えている印象です。
一般的に、火災保険には、基本補償と必要に応じて追加できる特約があります。
保険会社によっては、AプランやBプラン(ほかには標準プランと充実プラン)などパッケージ化されており、その中から選択できるケース多いです。
■ 火災保険の基本補償(名称および補償内容は保険会社ごとに多少異なります)
● 火災、落雷、破裂・爆発
● 風災、雹(ひょう)災、雪災(雹で窓ガラスが割れ、家財に損害発生した場合など)
● 盗難 (家財の盗難など)
● 水濡れ (給排水設備の破損やマンション上階からの漏水被害など)
(プランによって選択式)
● 水災 (豪雨・洪水による浸水や土砂崩れなど)
● 破損・汚損(不測かつ突発的な事故)
*水災は、プランによって付帯・不付帯が分かれるため、お住まいの地域のリスクに合わせて選ぶことが大切です。ハザードマップ(https://disaportal.gsi.go.jp/)を確認してみることおすすめです!
■ よく利用される主な特約
● 個人賠償責任特約 (日常生活で他人や他人の物を傷つけてしまった場合の賠償)
● 類焼損害・隣家損害特約 (自宅が火元でなくても、近隣への延焼・類焼損害が出た場合を補う)
● 臨時費用特約 (被災後の避難や片付けなどの緊急費用のうち一定割合で支払われる特約)
● 地震火災費用特約 (地震による火災で損害が出た場合の費用補償、地震保険の補完として利用)
「破損・汚損」については、
あまり知られていない補償ですが、「子どもがテレビを倒して、液晶が壊れた」「棚をぶつけて壁をへこませた」など日常生活の思わぬ事故による家財・建物の損壊に補償されます。
保険会社・保険商品によっては、「基本補償」ではなく特約扱いの場合もあるため確認が必要です。
補償額を設定する際は、建物は「再調達価額」(同等の家を再建するのに必要な額)、家財は「生活再建に必要な分」を基準にします。過大にすると保険料が割高になり、過小にするといざというとき十分な補償が受けられません。
保険料は、建物構造(鉄骨・木造など)、築年数、所在地、補償範囲によって決まります。とくに近年は自然災害リスクの高まりから、全国的に保険料が上昇傾向にあります。
保険期間は、かつては35年と長期にわたる契約も可能でしたが、現在は最長5年が上限となっています。1年更新での契約よりも割引が適用になるため、コストを抑えたい場合には、長期での契約も選択肢です。
そのほか、高まる地震リスクへの備えとして「地震保険とのセット加入」も有効です。地震保険については、次回のコラムご参照ください。
火災保険は、加入していれば安心ではなく、どんなときに、どんな補償が得られるのか、得られないのかを知ることが大切です。
ぜひこの機会に、ご自身の補償を見直してみてください。
ここだけの話…
わが家では、22~23年前に長男(当時1~2歳くらい)が木製のおもちゃのハンマーで液晶テレビの画面を叩き割るという事態が起こりました。しかも、同日にリビングと寝室の2台…💦
当時出始めの液晶テレビは結構なお値段でした。(涙)
火災保険の補償内容「破損・汚損」についての知識なかったために、痛い出費となったのでした。
(逆算すると、AFP資格あったはずなのですが…??)
「破損・汚損」は、起こり得るリスクとして備えておきたい補償であり、実際に起こる確率が高く、保険会社の給付実績も多いのが現状です。
そのため、「破損・汚損」を付帯した場合の保険料が値上がり傾向にあります。
(つまり付帯しないと保険料負担は抑えられるということです。)
私自身の経験から、子どもが小さいうちは付帯し、ある程度大きくなったら不付帯のプランを選ぶことをお勧めしています。

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